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森には雨が降っていた。
灰色の絨毯がうっそうと、ナメクジのように頭上をたむろし、
そこからこぼれる幾ばくかの雫は、申し訳程度に地面と葉とを湿らしていた。
森の動物たちは、潜み合いひしめき合いながら、茂る林を傘に暮らしていた。

この森には、一匹のライオンがいた。

ライオンは行きたいところへ行き、食べたいものを食べ、眠たいときに眠り、
誰に遠慮することなく、誰に気を使うことなく暮らしていた。
 
ウサギ「ライオンさん、ライオンさん。そこで寝るのはよしてくれませんか。」

ライオン「なんだ、ちっぽけなウサギが。俺の寝床を奪うのか!」

ウサギ「でも、あなたのお尻の下には、私のおうちがあるんです。お腹をすかせた子供らが、私の帰りを待っているんです。」

ライオン「そんなの知るか!」

カエル「ライオンどん、ライオンどん。その水飲むのはよしてくれないかい。」

ライオン「なんだ、小汚いカエルが。俺に干からびろというのか。」

カエル「でも、あんたの飲もうとしている水たまりで、うちのおたまたちが泳いでるんだ。水がなくなったら困るよ。」

ライオン「そんなの知るか!」

芋虫「ライオンや、ライオンや。ここを歩くのはよしとくれ。」

ライオン「なんだ、気持ちの悪い芋虫が。お前は俺に動くなというのか。」

芋虫「でも、お前のその足をおろしたら、私は…」
企画・構成・演出ディレクター けちゃ(ketch)